「消防士から起業家へ」 川島僚介氏が見据える「金融教育」の未来

2026.02.15 金融

  • 法人名:株式会社Universe Solutions
  • 代 表:川島 俊介
  • 業 種:金融

元東京消防庁職員の川島僚介氏は、資産運用の重要性に気付き、 不動産や海外金融商品にまつわる情報提供事業を展開する株式会社Universe Real Solutionsを立ち上げた。現在は、フィリピンをはじめとする海外マーケットに特化したコンサルティングを軸に活動を展開。将来的には、子どもたちへの金融教育にも取り組んでいきたいという強い想いを持っている。会社創業に至るまでの経緯と、そこにある熱意を聞かせていただきました。

命の現場から挑む!消防士の「ギャップ」と「殉職」が変えた運命 

――まずは、消防士としてのキャリアのスタート地点からお聞かせください。東京消防庁での勤務は、ご自身にとってどのような経験であり、どのような葛藤があったのでしょうか。
初めは半年間の消防学校での寮生活を経て、最初の5年間は狛江、後半の2年半は八王子で勤務しました。狛江は平和でなかなか現場経験ができず、訓練や事務処理ばかりしていて、高卒で入庁した僕にとっては、想像していた消防士とはギャップがありました。そんなとき、消防学校でともに学んでいた同期が火災現場で殉職するという事故が起きて、言葉にできない感情を抱きました。その事故をきっかけに、東京で最も忙しい消防署の1つである八王子への異動を希望しました。

退職の1ヶ月前に、住宅火災の現場に出動したことがありました。様々な要因が重なり、本来の役割ではない僕がホースを持って、真っ黒に燃える住宅の中へ先頭で突入しました。あの現場は本当に命の危険を感じる瞬間があり、亡くなった同期のことを思い出して「ああ、これが消防士という仕事なのだな」と実感しました。八王子では毎日が現場の連続で、災害対応にも数多く出動しましたが、あの最後の現場は、消防士としてやりきったと思える瞬間でした。今振り返っても「神様からの試練」と感じています。

──命の現場での過酷な経験を経て、そこから金融業界への転身、そして起業を志すに至った決定的なきっかけは何だったのでしょうか。
そんな時期に保険会社に転職した元消防士の後輩から営業をかけられました。その時に「お金の大事さ」に気づきました。消防士という命を失うリスクの高い仕事をしている人が、老後にバイトをしないといけなくなってしまう世の中は理不尽だと考えるようになりました。誰でも時間を活用して投資に取り組めば、老後資産問題の解決はできると思ったので、それを発信する立場に価値を感じて起業を決めました。

「無駄なプライド」を捨て、世界標準の金融を掴む

──全く異なる業界への転身となりましたが、創業に向けた準備期間において、どのような姿勢で知識や経験を蓄積されたのでしょうか。
まずは半年間、圧倒的に学びました。投資家の方との出会いがあって、さまざまな学びやチャンスをもらいました。当時は「自分の実力で進んでいる」というよりも、龍の上に乗せられてグングン引き上げられているような感覚でしたね。まさに地に足のついていない感覚のまま、自分の立場が大きく変わり、会社を立ち上げることになりました。

「無駄なプライドを持たない」です。僕は高卒で消防士になり、社会に出てからまだ数年しか経っていません。最初の頃は「何も知らないので教えてください!」と営業先で頭を下げて、必死に知識を吸収していました。その姿勢があったからこそ、壁にぶつかっても柔軟に対応できたのだと思います。半年間休まずに一人でも多くの人に会って、ひたすら情報を吸収していました。今の事業の土台はそのときに自分の中に蓄積された知識や経験です。

──海外マーケットに特化されていますが、日本国内の視点と比較して、具体的にどのような基準で金融商品や投資先の価値を判断されているのでしょうか。どういったこだわりがありますか。
僕が紹介するものは。なにか特別条件の良い投資先や、僕だけが知っている特別な投資先というものではありません。あくまでその国に行ったら当たり前に存在しているものであって「日本にいては知ることのできないこと」をご紹介します。たとえば、僕が月に1度、渡航しているフィリピンという国は平均年齢が24歳でGDP成長率は5~7%台を推移しており、経済発展をしている状況がよく分かります。投資先として期待値が高いことは想像しやすいのではないかと思います。また香港という金融先進国に行けば、街中を歩いているときに目にする銀行預金の金利が日本では考えられないような数字であったりすることはしばしばあります。こういった「グローバルスタンダード」を伝えることに価値を感じていて、お客様にとってメリットがあるかどうかにフォーカスしています。

詐欺被害を乗り越え、未来を創る! 元消防士が誓う「金融の透明性と教育」

──投資においてリスク管理と信頼性は不可欠ですが、お客様が投資先を選ぶ際、最も重要視すべき「判断の物差し」は何だとお考えですか。
「誰から買うか」ではなく「あなたのお金はどこに行くのか」が1番大事だと伝えています。詐欺被害もあります。どんなに話し上手な人でも、投資の内容とお金の行き先が一致しない投資は絶対に行いません。だから、お客様にも「僕のことを信用して決めるのではなく、お金の行き先がどこかをしっかり把握してください」と言っているんです。信頼すべきは、資金が流れる先が透明であるかどうか。たとえば、金融商品であれば金融機関以外にお金が行くことは考えづらいですし、その金融機関は信用格付け機関からしっかりとした評価を得ているのかどうか。金融機関を名乗っていて信用格付けがない会社は論外です。

不安を払拭する情報提供を心がけております。投資や海外というと、どうしても「怪しい」「怖い」というイメージがつきまといます。僕自身も投資詐欺に遭った経験があるので、その気持ちはすごくよくわかります。今振り返ると「なんで信じたんだ」と思うような話に引っかかってしまって……。もし3年前の自分に会えるとしたら「バカ!」って引っ叩きたいくらいです(笑)。正しい情報を提供することが、僕の使命だと考えております。

──最後に、貴社の事業を通じて実現したい社会の姿、そして次世代に向けたビジョンについてお聞かせください。
最終的にやりたいのは、子どもたちへの金融教育です。今の日本では「お金の話=いやらしい」「投資=怪しい」といった風潮が根強く残っています。でも、お金って本当はもっとポジティブなもの。投資は誰かを応援する行為ですし、正しく学べば、人生を豊かにする力になります。日本ではあまり金融教育を受ける機会がないからこそ、もっとフラットに、もっと楽しくお金のことを学べる環境を作っていきたいです。もっと広い意味で「お金とどう向き合うか」を考えられる社会を仲間と共に創っていきます。

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企業Profile

川島 僚介
株式会社Universe Solutions代表取締役。
HP: https://ure2023.com/company/

元東京消防庁職員としてのキャリアを持つ。在職中に感じた「命のリスクに対する対価と老後の不安」という矛盾をきっかけに金融業界へ転身。現在は、フィリピンや香港など経済成長著しい海外マーケットに特化した資産形成・資産運用コンサルティングを展開している。「資金の行き先」の透明性を最重要視し、信用格付けに基づく厳格な基準での商品選定を行う点が特徴。自身の原体験に基づき、日本における金融リテラシーの向上と、子どもたちへの金融教育の普及に注力している。

LIVE Doctor ご紹介

川島社長は、消防士として「命の現場」に立った経験と、自身の投資詐欺被害という痛烈な原体験を持つ、稀有な背景を持つ経営者です。その言葉には、単なる利益追求ではない、深い倫理観と使命感が宿っています。「無駄なプライドを捨てる」という謙虚な姿勢で知識を吸収し、顧客に対しては「誰から買うかではなく、お金の行き先を見よ」と説く誠実さは、不透明さが懸念されがちな金融業界において重要な羅針盤となります。金融教育を通じて社会の意識改革に挑むその姿勢は、次世代のリーダーとして信頼に値するものです。