「あなたを守り隊」警察官が立ち上げた警護会社

2025.11.25 インタビュー

「現行犯逮捕も辞さない」要人警護・身辺警護をはじめ、危機管理コンサルティング、ストーカー対策など、お客様に「安心安全」を提供している株式会社 誠・シークレット・サービス・コンサルティング。代表取締役を務めるのは、元千葉県警察官の田丸誠社長だ。退職後は、警護・警備会社にて数々の警護現場を経験したのち、自身が考える理想の警護を実現するために独立。田丸社長の警護とは。田丸誠社長が提供する抜かりのない“安心安全”への想いを伺ってきました。

「人生の急展開」警察官を辞めた私が、起業するまで

 ――警察官の道を辞めた経緯にはどのような背景があったのでしょうか?

私の実家は中目黒で、祖父と父が郵便局の局長をやっておりました。何も考えずに千葉にいたら、今でも警察官をやっていたかもしれません。創業時を振り返ると、当時は父が引退することで、私が局長の跡取り候補として警察官を辞め、局長を目指すことになったのです。しかし、タイミングが悪く小泉政権の郵政民営化と重なり、「局長の孫や息子は局長になれない」というルールがまさかの事態として実施されました。突然、仕事がなくなってしまい、悩み苦しむ時期を過ごしました。

―― 苦境にあった中、そこからどのようにして警護・警備の世界へ進まれたのでしょうか?

警護のプロとして踏み出した新たな一歩。「捨てる神あれば、拾う神あり」とはこのことでした。その苦境の最中、警察官時代に目をかけてくれていた方からお声がけいただいたのです。その方は、警視庁OBや千葉県警OBが多く所属する警護・警備会社に、「君は警護が向いているから」と私を推薦してくれました。その会社では、経団連会長や都銀の頭取の警護、株主総会対策など、さまざまな貴重な経験をさせてもらいました。この経験こそが、私の自信となり、2013年の起業へと踏み切る大きな力になったのです。

――『困っている人を助けたい』という熱き想いはどのように芽生えたのでしょうか?

警察退職後に務めた会社は、警察庁長官や警視総監を務めていた方が顧問をされていました。そこは、企業の大きさや知名度を大切にされていたので、場合によっては依頼を断っていました。例え、年商が50億円あっても、知名度が低い会社だった場合は承らない。それが気の毒でした。なぜなら、世の中で1番困っているのは中小企業だから。この経営スタイルを見ているうちに次第に疑問は増幅していき、そういう人たちを助けたい気持ちが強くなっていきました。

私は、あなたを命かけてお守りします

――御社の強みを教えてください。

私たちの強みは、本当に警護・警備が必要な方たちを命かけてお守りすることです。現在は、警護・警備だけではなく、危機管理コンサルティング、防犯対策、反社チェックを行っております。

――どのような課題を抱えるお客様が多いですか?最近の特徴的な事例はありますか?

顧問契約でのご依頼が多くあります。過去に心配なことがあったから契約してくださる方、現在進行系でトラブルが起きやすいから契約してくださる方の2パターンがあります。例えば、インフルエンサーを使って広告宣伝しているアパレルショップ。著名なインフルエンサーよりイベントなどで会いやすいので、妄信的な人が買いに行って「〇〇ちゃんは今日いないんですか」ってところから始まり、最悪の場合は嫌がらせに発展してしまう。また、反社チェックで多いのは、上場前後の会社です。上場前には調べないといけないのですけど、昔は「帝国データバンクと商工リサーチをやっているから反社チェックは終了」と言い切る社長もいらっしゃいました。今はそれだけでは企業努力として足りるとはおよそ言い難いってことで、ご契約いただいたことが結構ありました。

私たちは、現行犯逮捕も辞さない。

 ――SNS時代の危機管理と、初期対応の限界はありますか?

SNSで個人の行き先が容易に分かってしまう現代において、粘着質な人とはある程度の段階で決着を付けなければなりません。ストーカー規制法に則ったとしても、最初の段階では「所轄警察署長による警告が発せられました」という対応に留まり、相手がそれを無視するケースも少なくありません。つまり、問題解決には刑事事件化して対処することが重要な局面もあるということです。私たちは、ストーカー対策や企業の危機管理において、警察への届け出までの一連の支援を実施しています。これは警察でも弁護士でもない、独自の領域まで請け負うサービスです。

――「私人逮捕」も視野に入れた、他社にはない決定的な差別化

私たちは、警察への届け出支援だけでなく、現行犯逮捕という正当な権利(一般私人にも認められている)の活用も視野に入れています。私人逮捕の場合、その後の手続きとして警察官が「常人逮捕手続書」を作成してくれます。

ここが他社との決定的な違いです。通常の警備業は、二次災害を防ぐため、積極的に実力行使をしてはいけないと、各都道府県の公安委員会によって定められています。弊社ももちろんその指導は守っていますが、指導として「タイミングがあれば(現行犯として)捕まえてください」と指導し、この方針で12年間続けてきました。これが、私たちの他社にはない最大の差別化ポイントです。


大切な人を守るために、将来的なビジョン

――創業の原点と「地元貢献」という事業戦略

創業当初から私には、「大企業だけでなく、中小企業も助けたい」という熱い想いがありました。それと同時に、地元への強い貢献意識も持っています。祖父と父が郵便局長を務めていた中目黒を平和にし、ひいては目黒区全体を平和にしたいという展望がありました。「地元に貢献する」ことは、現在も私たちの重要な事業戦略の柱の1つに含まれています。

―― 地方企業・インバウンド・映像業界への新たな挑戦

もう一つの大きな戦略は、危機管理が遅れている地方企業をクリーンにすることです。

「あの組長さんを通さないとうちの建設会社は終わってしまう」といった企業様に対し、決断してくだされば顧問契約で私たちが反社対応を引き受けます。表明・確約書さえ納めていただければ対応可能ですが、地方ではそういった啓蒙活動が全く足りていません。そこまで整備を進めていきたいと思っています。

最後に、インバウンド観光増加による中目黒の課題にも着目しています。お年寄りと海外観光客のトラブルが増えているため、海外観光客のアテンドを通じて中目黒を守りたい。さらに、HuluやAmazon Prime、Netflixなど、日本での撮影が増える映像業界のセキュリティシェア獲得も視野に入れています。私たちは、これからも皆さまの安全と安心を守り続けます。

誠シークレットサービスコンサルティング