宇宙は意外と身近にある – 学生団体から宇宙産業を変える未来を描く、眞鍋さんの挑戦

2025.11.25 インタビュー

概要

—— 宇宙に興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけは、「はやぶさ2」のサンプルリターンです。サンプルリターンがニュースで報じられていたとき、「あれ、まだ戻ってきてなかったんだ」と驚いたのを覚えています。それがきっかけで、宇宙に関する本を一冊読むことにしました。その本が、もうものすごく面白くて、そこから宇宙に強い興味を持つようになりました。

—— その後、学生団体を立ち上げるまでに至った背景は?

大学に入って、宇宙系の団体、イベントに参加していくなかで、「宇宙産業には他産業からの参入がまだまだ少ない」という課題を知りました。それなら、自分たちでその壁を壊せるような場をつくれないかと考え、3人で学生団体を立ち上げました。現在は約20名で活動していますが、実はメンバーの多くは「宇宙大好き!」というより、「なんとなく興味ある」くらいの人たちなんです。それでも、そういう人が関われるような仕組みにすることが、この業界の未来には重要だと思っています。

—— 団体としての活動内容について、もう少し詳しく教えてください。

私たちの団体は、宇宙に関する情報発信からビジネスの創出、さらに将来的には資金調達まで一貫して行えるような組織を目指しています。ただ、学生という立場で短期間にすべてを形にするのは容易ではありません。

そこで現在は「まず宇宙を知ってもらうこと」に軸を置き、宇宙への理解を深めるためのイベントや講演会の開催したり、宇宙産業でのビジネス創出を視野に入れたワークショップを実施したりしています。
これらを通じて、最終的にはビジネスコンテストの開催を目指し、協賛や賞金といった形での資金調達に結びつけていきたいと考えています。

—— ビジョンや目標はどう描かれていますか?

直近の目標は、宇宙関連の学生団体をもっと広く知ってもらうこと。協賛という形で宇宙産業に関わることが、企業として一番身近な関与の形だと思うんです。そのためにも、まずは露出を増やすことに注力しています。最終的には、他産業との接点をもっと増やし、宇宙を「専門家だけのもの」から「誰でも関われる産業」に変えていきたいですね。

—— 宇宙を「誰でも関われるもの」にという点、とても興味深いです。

実は、僕が所属しているロケット開発団体でも、使っている素材はCFRPやGFRPといった、強化プラスチック素材です。それをカッターで切って、型に貼って、電気炉で焼く……作業工程を切り取ると誰でもできそうな工程から始まっているんです。ロケットって聞くとなんかすごくて遠いものに感じるかもしれませんが、意外と手の届く範囲から始められるんだよって伝えたいですね。

—— 今後、社会人としての展望もお聞きしたいです。

将来的には起業を考えています。ただ、学生の経験だけでは現実的な事業に落とし込むのが難しいと感じたので、一度社会人を経験した上で、3〜5年を目安に独立したいと考えています。今は宇宙とは関係のない分野、具体的には「ミーティングや会議の効率化ツール」の開発を視野に入れています。理系の工学部出身なので、その経験と知識を少しでも生かしていきたいです。

—— 宇宙事業で尊敬している人物はいらっしゃいますか?

株式会社ElevationSpaceの小林さんです。日本の宇宙ベンチャーの中でも、一番成長するポテンシャルがある企業だと思っています。その企業をベンチマークしており、その企業のように成長していくことが一番の理想です。

—— 活動の中で、特に印象に残っているイベントは?

昨年開催した「宇宙ビジネスシンポジウム2024」ですね。唯一の有償イベントで、会場費をまかなうために参加費をいただきました。それ以外は基本的に利益は追っておらず、自分たちの手弁当でやっています。それでも多くの方に来てもらえたことが大きな自信になりました。

—— やりがいを感じる瞬間はありますか?

やっぱり「達成感」ですね。僕たちの団体は、常に「どうすればこれが実現できるか」を考える肯定的な組織なんです。一人ではできないことも、仲間がいれば超えられる。そのときの成果は、自分の力以上のものであり、何より嬉しく、大きな達成感が得られます。

—— 最後に、これから宇宙産業に関わりたいと思っている学生や社会人に向けてメッセージをお願いします。宇宙って、決して遠い世界ではないんです。今、国からの資金援助も充実してきていて、現在は人材が足りていない状況です。市場規模は15年で3倍になるとも言われており、まだまだ伸びしろがあります。
ポテンシャルが高い企業っていうのも日本国内にもたくさんあって、一緒に宇宙業界を盛り上げていただけるような人がいれば大歓迎ですし、嬉しいなというふうに思っております。