20店舗の経営挫折から内装業への成功の道のり」自由を手に入れるには、自分で責任を持って選ぶしかない──安川佳宏社長の選択 

2026.02.15 建設・不動産

  • 法人名:有限会社フクエイ建設
  • 代 表:安川佳宏
  • 業 種:建設

会社員からスタートし、異業種で20店舗を展開したのち、独学で内装業に転身した安川佳宏社長。現在は大阪を拠点に、スタッフ7名とともに店舗の内装工事を手がける日々を送っている。「仕事はゲーム。利益は通知表みたいなもの」という独自の価値観や、「LINEで完結する仕事の仕組み」づくりを進める背景には、自由を追い求める強い思いがあった。安川社長が語る創業ストーリーと、その先に描く未来とは。

ワクワクする『あたりまえ』を作る

――まずは、現在の事業に至るまでの話しをお聞かせください。 
大学卒業後は会社員をしていたんですが、とあるきっかけで辞めて25歳のときに起業しました。最初はホワイトニングのお店から始めて、そこからタピオカ、焼肉、ラーメン、脱毛、レストラン、バーなど、ジャンルにとらわれず多様な業態にチャレンジしていきましたね。気づけば約20店舗ほど展開していました。2店舗目くらいから「思ったより工事費が高いな」と感じて、「自分で内装工事をやってみよう」と思ったのが転機だったと思います。3店舗目以降は、内装の一部を自分で手がけるようになったんですけど、それによってコスト削減ができて、徐々にある程度ノウハウも身についてきました。当時は「店舗経営者」としてやっていたので、建設業をやるなんて考えてもいなかったのですが、徐々に周囲から「うちの店舗も工事お願いできない?」という声がかかるようになってきたんです。最初は余裕がなくて断っていたんですけど、自分には店舗経営での成功と失敗の検証ノウハウが沢山あったので、どういう店舗づくりがエンドユーザーが喜んでくれるのか。また、店舗経営者のオーナーの気持ちがよくわかり、お役に立てると思い今の内装業を始めました。私たちが手がけた内装工事を通して、必ず店舗経営を成功させる!という強い想いで「やすく、はやく、ていねいに。」をモットーに働いております。 

──現在はすべての店舗を撤退されたと伺いました。
撤退の仕方もいろいろあって、売れる店舗は造作譲渡という形で売却しました。タピオカブームのときに立ち上げたお店は立地が良く、それにちゃんと工事をしていたので、次の業態に転用できる物件として人気があったんです。もちろんパッと閉めたお店もありますが、振り返ってみれば「うまく撤退できた」と思います。撤退のマネタイズまでちゃんとできたのはよかった点ですね。 

──人によっては「失敗」と捉えられるのではないかと思うのですが、ご自身的にはどうお考えですか。

伝わるかわかりませんが、日本にいたら失敗しないです。僕にとって、日本における失敗は死んでしまうことくらいだと思っています。 

──そういった考え方があるからこそ、未経験の内装業に転身できたのかもしれませんが、一体どのように立ち上げられたんですか。 

僕の周りには大工や壁紙職人の友だちが多かったので、彼らに仕事を頼みながら、自分は現場のディレクションに徹するという形で始めました。内装を「自分でやる」って聞くと、実際に壁を立てたり床を貼ったりするイメージがあるかもしれないですが、僕は分離発注の形をとって、職人に指示を出す側をやっています。 

──現在の仕事において、日々大切にしている考え方や姿勢があれば教えてください。 

「役割を全うする」です。お客さんから仕事をもらうというのは、何かしらの期待や役割を持って依頼してくれているということなので、それにしっかり応えることが大切だと思っています。 

──「三方良し」という考え方を大切にされているそうですが、その背景や理由について詳しく伺えますか。 

誰か1人だけが得をするような仕組みって、結局は長続きしないと思うんですよ。クライアントも、自分たちの会社も、そしてスタッフも、みんながハッピーになる状態じゃないと、どこかで歪みが出てくる。だから、自分たちの利益だけじゃなく、関わるすべての人の満足を大事にすることを大切にしています。 

──ちなみに、今は何人体制で事業を進めているんですか。 

正規スタッフは7人です。そのうち最も長く一緒に働いている人でも、まだ1年くらい。チームとしてはまだ若いですが、これからの成長に期待しています。 

──社員教育の具体的な方法や考え方についてもお聞かせください。 

基本的に「放置」ですね(笑)。もちろん、お客さんに迷惑をかけるような失敗がないよう、要所要所で僕がサポートに入ります。でも、自分で考える力を育てるには、ある程度の放任も必要なんです。最初から全部指示してしまうと、自発性が育たないので。 

「仕事はゲーム」この思考に至った理由は 

──業務をLINEで完結させる仕組みを構築されているそうですが、それによってどのような働き方を実現したいと考えていますか。 

現場にはスタッフが行って、僕はLINEグループで進行管理ややり取りをするだけ。LINEすらも使わないで済むような仕組みを目指しています。なぜかというと、時間と場所に縛られたくないからです。旅行に行きたいと思ったときにすぐ行ける、そんな自由な働き方をしたいんです。 

──仕事に対するモチベーションや「やりがい」を感じる瞬間についても伺いたいです。 

お金はあくまで手段ですが、働く上でのモチベーションにもなります。僕にとっては、仕事の成果が通知表のように見える感覚。年間でどれだけ利益が出たかを見ると、頑張った実感が湧きます。それが100点みたいな感覚なんですよね。仕事はゲーム。そう思うと楽しんで続けられます。 

──少し特殊な考え方だと思いました。現在の考えに至った経緯を教えていただけますか。 

親や先生に言われるがままに進学して、会社員にもなったんですけど「自分の人生を生きていないな」と思ったんです。社会のレールに乗っているだけで、自分で選択していなかった。それに気づいたとき、全部自分で決めるようにしたんです。自由を手に入れるには、自分で責任を持って選ぶしかないと気づけたから、こういった考え方に至れたんだと思います。 

──今後、仕事を通じて実現したい夢やビジョンはありますか。 

旅行でベトナムの孤児院に行ったとき、親がいない子どもたちがすごく明るくて驚いたんです。親がいるからといって必ずしも幸せとは限らないし、逆に親がいないからこそ自由に育つ面もある。だから、そういう子どもたちに教育の場を与えて、未来の選択肢を広げるような施設を作ってみたいと思ったんです。自分が何かをしてあげるというより、彼らの可能性を信じて環境を整える。そんな支援をしたいです。 

遺言状に記す言葉は「お前の人生はなんだ?」 

──最後に、もしご自身が遺言状を書くとしたら、これまでの人生を通じて、どんなことを記しておきたいか教えてください。 

「お前の人生はなんだ?」。これに尽きます。周囲の期待や世間の価値観に流されるのではなく、自分で考えて、自分の人生を選び取っていくこと。それが1番の幸せにつながると思っています。 

僕自身、大学もスポーツ推薦で進学して、気づけば先生に言われるがままに関西大学に入学しました。就職も「普通だから」という理由で選んだだけ。自分で選択した人生じゃなかったんですよね。それが嫌で、自分の頭で考えて動くようになったんです。 

レールに乗るのが悪いわけじゃない。でも、そのレールを自分で選んだかどうかが重要だと思っています。 

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企業Profile

安川佳宏
有限会社フクエイ建設 代表取締役。
HP:

25歳で独立後、飲食・美容など多岐にわたる業態で約20店舗の経営を展開。その過程で店舗内装工事のコスト構造に疑問を持ち、自ら施工管理を行う手法を確立しました。「店舗経営者の気持ちがわかる内装屋」として、オーナーの成功と失敗の検証ノウハウを活かした提案が強みです。「やすく、はやく、ていねいに。」をモットーに、分離発注方式を用いたコストパフォーマンスの高い内装工事を提供。現在は大阪を拠点に、関わる全ての人が幸せになる「三方良し」の精神で事業を拡大しています。

LIVE Doctor ご紹介

安川佳宏社長は、「日本での失敗は死ぬことくらい」と言い切る胆力と、20店舗の経営実績に裏打ちされた実務能力を兼ね備えた経営者です。 特筆すべきは、自身の原体験から生まれた「店舗経営者のための内装業」という独自の立ち位置です。単なる工事の提供にとどまらず、事業の撤退や利益構造まで熟知しているからこそ、クライアントの成功に直結する本質的な提案が可能となっています。「仕事はゲーム」と語る柔軟な発想と、その根底にある強い責任感は、御社の事業展開における頼れるパートナーとなるはずです。