—— 学生団体GLOCALを立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか?
最初の動機は本当にシンプルで、「みんなで旅行に行きたい」という気持ちでした。高校の頃から大人数で出かけるのが好きで、大学に入ってからもそれを続けたいなと思ったんです。
大学の文化祭でも何か出店したいと思ったのですが、「サークルじゃないとダメ」と言われて、だったら団体を作ろう、と。それがGLOCALの始まりです。
—— GLOCALの活動にはどんなビジョンがありますか?
「自分が楽しいと思えることをやる」。それが自分の人生のテーマであり、GLOCALの根底にある考え方です。旅行を軸にしているのも、旅は心の感受性を育てる最高の手段だと思っているからです。ただのレジャーだけではなくて、地域の文化や人の営みに触れること、そういう体験が、心を豊かにし、主体性を育むと信じています。
—— 具体的にはどのような活動を?
GLOCALの活動はすべて自由参加が基本です。「海に行きたい」と言えば海への旅行を企画し、「寒い場所に行ってみたい」と言う子がいれば、その子を中心に北海道旅行の企画を立てられるよう、団体としてサポートします。旅行以外にも、たとえば近くの公民館を借りてたこ焼きパーティーを開いたり、地元のカフェの夜の時間帯を間借りして学生自身が運営するイベントを開催したりと、活動の幅は多岐にわたります。
また、私の通う東京経済大学は経営学部の学生が多いこともあり、「何か商品を売ってみたい」という声に応えて、地域のスペースを借りてクッキーなどを販売するブースを出すなど、ビジネスの実践的な機会も提供しています。最近では、近所のケーキ屋さんと提携し、焼き菓子を仕入れて駅前で販売する新しいプロジェクトも進行中です。
—— 団体の魅力を一言で言うと?
やっぱり「楽しさ」です。楽しいからこそ人が集まるし、やってみたいという気持ちが芽生える。そしてその気持ちが主体性につながる。そうやって一人一人が「自分の意思で動く」経験を積んでいける場所が、GLOCALだと思っています。
—— 苦しかった経験や失敗談もありましたか?
ありますね。去年は後輩に代表を引き継ごうとしたんですが、その子が途中でやめてしまって……。自分としては全力でサポートするつもりだったけど、うまくいかなかった。そのとき、団体のメンバーからの視線も厳しくなって、いろんなことがうまく回らなくなりました。結局、「自分がやりたいからやる」っていう純粋な動機が何より大事なんだと痛感しました。
—— 団体の規模も大きいそうですね。
東京経済大学だけで会員数は約200人います。ただし、イベントの参加は自由なので、たとえばバーベキューには100人以上集まったこともありますが、普段のイベントは30人前後が多いですね。
—— 学生に伝えたいメッセージは?
「楽しむ心を忘れないでほしい」。それに尽きます。
あとはやっぱり「主体性」がすごく大事だと思っています。他人に「これをやれ」と言われても、なかなかやる気は出ませんよね。自分自身が「これをやる意味は何か」とか、「こういうことをやってみたい」と思えるような気持ち――そういった興味や好奇心から出発することが、楽しむ第一歩になると思うんです。
そしてもう一つ大事なのが、「どんなことでも楽しめる心の豊かさ」。これはすぐに育つものではないですが、日々の体験を通じて少しずつ磨かれていくものだと思います。僕自身、その心の豊かさを育てるのに一番いいのは「旅」だと考えています。でも、それが料理でも音楽でも何でもいい。たとえばカップラーメンって普通に美味しいじゃないですか。でも人は、それでもいろんなラーメン屋さんに足を運ぶ。なぜかといえば、「違い」を楽しんでいるからなんですよね。
その「違いを楽しむ感覚」こそが、感受性を育ててくれる。北海道と沖縄では建物の形も道の広さも違うし、土地によって見える風景や文化がまったく違う。そういう「違い」を感じ取れる経験が、心を豊かにしてくれるんです。
だから僕は、GLOCALのメンバーにも「とにかくいろんなことをやってみなよ」と伝えています。楽しさを見つけるには、「主体性」と「豊かな心」、この二つを大事にすることがコツだと思っています。
—— 卒業後の展望はありますか?
現在は大学を休学していて、あと3年くらいは学生として団体運営を続けるつもりです。その間にGLOCALと組み合わせた事業も形にしていきたい。最終的には起業も視野に入れていますが、まだどうなるかはわかりません。
—— 最後に、社会人や経営者に向けたメッセージがあればお願いします。
子供心を忘れないでほしいです。自分も運営の中で、資金繰りや責任に追われて「楽しさ」が遠のいた時期がありました。でも、子どものころってお金がなくても楽しかったじゃないですか? だからこそ、今を楽しむ心、どうしたら楽しむことができるだろうという思考を持ち続けることが何より大切だと思います。